【海外の学校ではお金の勉強ってやってる?】各国のお金の教育まとめ

メディアや本屋等で少しずつ「お金の勉強」「金融教育」という言葉を目にするようになってきました。

学生向けのお金のしくみや考え方に関する本が増えてきたり、Youtubeでも初心者向けに解説するような動画もよく投稿されています。

ですが、学校でのお金の勉強はまだまだ時間が確保されていないのが現状です。


中学・高校の先生が回答したお金の授業にどれくらい時間を取っているかというアンケートの結果では、年間で1〜5時間以内しか取っていないという回答が大半を占めました。

  中学校1年生:「0時間」    (74.2%)
  中学校2年生:「0時間」    (58.2%)
  中学校3年生:「1~5時間程度」(44.6%)
   高校1年生:「1~5時間程度」(60.9%)
   高校2年生:「1~5時間程度」(49.3%)
   高校3年生:「1~5時間程度」(47.7%)

  「中学校・高等学校における金融経済教育の実態調査報告書」金融経済教育を推進する研究会

背景として、全体の授業計画に余裕がなく、金融教育の優先度が下がってしまっていることが理由としてあるようです。

また、先生も金融教育に関して大学時代に学んでいないので、教えるにあたっての知識が不足していることも理由としてあげられます。

このように、日本ではまだまだ金融教育が進んでいないようですが、海外ではどうなのでしょうか?

これから国ごとに金融教育の取り組みや教育事情について紹介していきます。

目次

アメリカでのお金の勉強

まずアメリカでは、個人の資産に占める株や投資信託の割合が高く、2018年3月時点で家計の54%を占めています。(日本銀行、資金循環統計「家計の資産構成」より)

このことから、アメリカではいかに多くの人が自分で資産を増やそうとしていることが分かりますね。

そういうこともあり、学校でもお金に関する教育は他国と比べても盛んに行われていて、中では高校の卒業必修単位としている州もあります。

具体的には、働いてお金を得るしくみや貯金や借金とその返済計画、税金等生活する上で欠かせない知識(パーソナルファイナンス教育)を広く学んでいます。

お金の教育=投資手法等のテクニックではなく、お金の全体像を学ぶことは生きていく上で欠かせないですね。

イギリスでのお金の勉強

イギリスは金融教育発祥の国と呼ばれ、政府・NPO・民間企業等が一体となって教育のサポートを行っています。

学生のためだけでなく、金融教育を行う先生に対して研修や教材の提供等の支援もしているので、先生も安心して授業ができますね。

中学校では2008年からパーソナルファイナンス教育が本格的にカリキュラムに組み込まれるようになったり、教育機会は小学校や高校にも拡大しています。

中国でのお金の勉強

中国でも金融教育は進んでいます。

2019年に中国証券監督管理委員会(CSRC)という中国の証券市場を管理している機関は全国の小中学校の学生向けに金融教育を提供する計画を発表しました。

その計画のもと、全国の小中学校に出張授業を行ったり、小学生が金融機関や証券取引所に訪問したりと、お金を勉強する機会が増えているようです。

中国の教育省もCSRCと協力して、金融教育を全国的に拡大することに合意が行われ、今後も政府の主導で金融教育の拡大が進んでいきそうです。

オーストラリアでのお金の勉強

2011年に「国家金融リテラシー戦略」が策定され、国民がお金に関して自ら勉強し、リテラシーを向上するように国の重要施策として金融教育に取り組んでいて、全国統一の教育課程にも金融教育を盛り込んでいます。

国家金融リテラシー戦略とは:
国民がお金に関する意思決定を改善していくことで、金融面での幸福を改善することを目標にオーストラリアの金融規制当局が策定したもの。この目標を達成するために、お金の授業を組み込んだり、学校への情報提供による支援活動等を行うことを宣言しています。 

オーストラリアでも先生たちへの金融教育に関する事前研修を積極的に行ったり、教育にあたってのツールや情報を継続的に提供する支援体制も整っています。

具体的には学校での金融教育の推進や情報提供の拡充、行動が変わることの実現に向けて取り組んでいます。

まとめ

各国の金融教育の現状を見てきました。こう見てみると、日本での金融教育や環境整備はまだまだ遅れているように感じますね。

ただ、この現状に危機感をもつ人が日本でも増えていることは事実です。

今後日本でも政府の支援の元、金融教育が広く浸透していき、学生時代からお金にしっかり向かう時間が増えればいいなと思っています。

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