ニュースを見てると、「インフレ」や「デフレ」という言葉が出てくることがあると思います。
学校の授業でなんとなく習った記憶はあるけど、どういう意味だったか覚えていない・・・という人も多いのではないでしょうか?
ここでは、
・インフレ/デフレってどういう意味? ・それぞれのメリット/デメリットはどうなの? ・日本はどっちなんだっけ?
と疑問に思っている人向けに解説します。
インフレ/デフレとは?
まずインフレとは、インフレーション(inflation)の略で、物価が継続して上昇することを意味します。
例えば、バナナ1個の値段が100円だったが、価格が上昇したために1個の値段が130円になった場合にインフレと呼びます。
インフレになる原因は様々で、一つは、中央銀行がたくさんお金を刷って世の中にお金が増えたためインフレになってしまいます。
さきほどのバナナの例でいうと、今まで100円しか持ってない人も、持つお金が増えて130円になれば、お金の量に合わせて価格が上昇しても、買う側としては同じ価値感覚で物を買うことになります。
ただし、仮に感覚が変わらないとしても、お金の価値は下がっていることは注意です。
なぜなら、「30円多くお金を出さないとバナナが買えない」という状況はお金の価値が薄まっていると考えることができるからです。
また、モノやサービスを買いたい人がたくさんいる(需要が増える)場合も、売る側が価格を上げても買いたい人はたくさんいるだろうということでインフレになります。
一方でデフレは、デフレーション(Deflation)の略でインフレの反対です。
継続して物価が下落している状況を意味します。
インフレの反対の意味となると、物の価格は下がり、お金の価値は上がります。
(例えば、バナナの価格は80円となり、20円も少なくバナナを買えるということでお金の価値が高まったことになります。)
また、デフレの要因もインフレの反対で、世の中のお金の量が減ったり、物を買いたい人が減ると物の価格が下がっていきます。
あくまでシンプルに考え方を書いていますが、実際は政策や景気、世界情勢等が複雑に絡み合って、物の価格が調整されていきます。
インフレ/デフレのメリット・デメリット
では、インフレとデフレのメリット・デメリットは何でしょうか?
下の表にまとめてみました。
メリット | デメリット | |
インフレ | ・買いたい人(消費)が増えると、会社の 利益も増えて給料も上がる | ・お金がない人には物の値段が高くて苦しい ・貯金の価値が下がる |
デフレ | ・安く物が買える ・貯金の価値が上がる | ・安く買えると企業の利益が少くなり 給料の上昇は抑えられる |
まずインフレのメリットであれば、消費が増える→会社の利益が上がる→給料が増える→消費が増えるといった好循環が生まれれば、経済は豊かになります。
ただ一方で、お金が全然ない人にとっては、急に価格が上がると生活は苦しくなります。
また、お金の価値が下がるので、貯金して現金を保有しているとどんどん貯金の価値が下がってしまうこともデメリットになります。
では、デフレはどうでしょうか?
物が安く買えるならお得で良いのではと思った人もいるかもしれませんが、会社からするといつまでも価格が安いと利益が少ないので、社員の給料を上げることも難しくなります。
給料が上がらないと、消費も進みません。それにより会社の利益も減るという悪循環になってしまいます。(この悪循環のことをデフレスパイラルといいます)
また、海外と比較して日本での給料が安いとなると、優秀な人材がどんどん海外へ流出してしまうこともデフレのデメリットです。
日本はインフレ?デフレ?
日本は2021年5月現在でデフレ傾向にあると言われています。
ロイター通信によると、主要7カ国で唯一消費者物価指数(消費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを表す指標)が前年比でマイナスとなっています。
また、GDPデフレーターと呼ばれるGDP(国内で生み出されたモノやサービスの総額)から計算される指標がデフレかどうかを判断する際に使われるのですが、この指標も2021年1月〜3月期は前年に比べてマイナスになっています。
緊急事態宣言の延長も重なって企業の利益が減って、給料が下がったりリストラが増えてしまうと、益々消費が冷え込み、デフレスパイラルになってしまう可能性があります。
まとめ:世の中の経済の動きを学ぶことはとても大切!
100円ショップやファストフードで安く商品が買えることは嬉しいですが、それが必ずしも経済全体にとって喜ばしいとは限りません。
日常で買っているモノやサービスと経済を結びつけて、経済ニュースに関心を持ったりすると面白いですし、「将来インフレになると貯金の価値が下がるから、今のうちに投資の勉強をしてみよう」といった自分の資産を守る行動にも繋がったりします!
ぜひこれを機に色んな経済の情報をインプットしながら学んでみてくださいね。